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欲しいんでしょ
第10章 おひるのおひさま
というか卓と愛実ちゃん、歩くの速い。
(急げ、急げ。)
「わっ!」
誰かに勢いよくぶつかった。
目の前に立つ、大柄のチャラそうな男の人。
「す…すいません。」
ちょっとおっかなびっくりだったけど
ちゃんと謝ったからきっと大丈夫。
「おい…ちょっと待てや…」
大丈夫…ではなかったみたいです。
(急いでるのに…!)
「ほ、ほんとにすいません」
今度は頭を勢いよく下げて謝る。
男の人の顔は険しく、どこからかゴゴゴゴ…と聞こえてきそうな感じだった。
心臓がバクバクしてる。
お願いだから許してください!
「いや、それはいい。そうじゃなくて
お前、スカート短すぎなんじゃないのか?」
喋り方が独特な人でちょっと面白かった。
(あたしそんなにスカート短いかなあ?)
確かに短くはしてるけどそこまでではない。
「そうですか…?」
「うむ。それでは階段を登る時後から見えてしまうぞ。」
そんな事で呼び止めないでよ!
泣きたい気持ちを堪えてお礼を言おうと思った。
と同時にスカートをめくられた。
「こんな風にな。」
「ひゃあっ!」
(何この人!?)
「ははは…まあ気を付けたまえ!」
そう言ってあたしのもとを去っていった。