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【完結】ワンナイト・ドリーム
第1章 ワンナイト・ドリーム
腕の時計を見る。終電まであと三十分と少しだ。これから店を探して飲むには時間がない。それにもう十分に飲んだ。明日は休日だとしても、これ以上アルコールを摂取したらやばい気がした。優紀の顔も赤い。
目が合った。顔が少し赤いだけで、優紀は彼ほどには酔っていないようだ。ちょっと首を傾げ、彼を見ている。その視線のせいなのかどうなのか、酔いが回った俊介の頭にある思いがよぎった。帰りましょうと言うつもりだったのに、口を突いて出たのは別の言葉だった。
「先輩。今日は…泊っていきませんか」
それを言ったあとに、すぐにしまったと思った。優紀は既婚者だ。彼にだって恋人がいる。失言を謝ろうとした瞬間、彼女がこう言った。
「いいよ」
自分から誘ったくせに、彼は「えっ」と驚いた。
今、確かに、いいよって聞こえた。本当にいいのか?
目が合った。顔が少し赤いだけで、優紀は彼ほどには酔っていないようだ。ちょっと首を傾げ、彼を見ている。その視線のせいなのかどうなのか、酔いが回った俊介の頭にある思いがよぎった。帰りましょうと言うつもりだったのに、口を突いて出たのは別の言葉だった。
「先輩。今日は…泊っていきませんか」
それを言ったあとに、すぐにしまったと思った。優紀は既婚者だ。彼にだって恋人がいる。失言を謝ろうとした瞬間、彼女がこう言った。
「いいよ」
自分から誘ったくせに、彼は「えっ」と驚いた。
今、確かに、いいよって聞こえた。本当にいいのか?