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体育倉庫の狂宴~堕落する英語教師~
第1章 1
X県L市の郊外には、広大な田園風景が広がっている。
その田園に取り囲まれる形で、小さな高台がある。
私立○○学院高校は、その高台の上を独占して建っている。
☆☆☆☆☆
夏休みも半ばを折り返した、八月中旬のある日――――下校時刻を三十分ばかり過ぎた、午後六時半。
つい先ほど、束の間空を覆って夕立をもたらした雲は、今はもうすっかり消えている。
太陽はやや西に傾きながらも高くにあって青い空が広がり、私立○○学院高校グラウンドはまだ明るかった。
そのグラウンドを、坂下涼子はひとり歩いていた。
☆☆☆☆☆
涼子の足取りは、重かった。
まるで身体の隅々まで水銀を流し込まれたような、そんな心持ちだった。
憂鬱だった。
呼吸をするその都度、深い溜息が出た。
歩みをひとつ進めるその都度、身体が崩れ落ちそうになった。
その田園に取り囲まれる形で、小さな高台がある。
私立○○学院高校は、その高台の上を独占して建っている。
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夏休みも半ばを折り返した、八月中旬のある日――――下校時刻を三十分ばかり過ぎた、午後六時半。
つい先ほど、束の間空を覆って夕立をもたらした雲は、今はもうすっかり消えている。
太陽はやや西に傾きながらも高くにあって青い空が広がり、私立○○学院高校グラウンドはまだ明るかった。
そのグラウンドを、坂下涼子はひとり歩いていた。
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涼子の足取りは、重かった。
まるで身体の隅々まで水銀を流し込まれたような、そんな心持ちだった。
憂鬱だった。
呼吸をするその都度、深い溜息が出た。
歩みをひとつ進めるその都度、身体が崩れ落ちそうになった。