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第24章 ２４

“唇を奪う”――それはキスを比喩する表現として、よく見かけるものだが、もしもその比喩に準（なぞら）えるなら、今のレンヤのキスは、『肛門を奪う』といった感じだった。

涼子は今一度、

「んああぁぁッ！――すごいッ！……んくぅぅッ、すごいっ、キスッ！！」

と歓喜に悶えつつ、思った。

（尻の穴が、レンヤ君の唇に吸い込まれちゃいそう……）

しかし涼子が本当に驚くべき“キス”は、その後に待っていた。

　　　　　　　　　　　　　　　☆☆☆☆☆

ムチュゥゥゥゥゥ……――と、長く肛門に吸い付いたレンヤは、その後たった一度だけの呼吸を経て、今度は舌をズゴズゴと出し入れして、その舌先で肛門を突いた。

実のところ、涼子はその最初の“数撃”を受けた際に、思わず肛門を窄めてしまった――余りにも刺激が、強過ぎたからだ。

ここで――今までの流れを参考にするなら――こういう時レンヤは決まって涼子を叱咤し、窘めた後、（“意地悪”な口ぶりで）『肛門を膨らませる』よう、口頭で指示する筈だ。

しかし、この時のレンヤは、違った。

　　　　　　　　　　　　　　　☆☆☆☆☆

涼子が“思わず”肛門を窄めてしまったその後も、レンヤはただ一心不乱に――ズコズコズコズコズコッ……――と、涼子の肛門を突き続けた。

その後に今一度、ムッチュゥゥゥ、ムチュゥゥゥ……――と、吸い付いたかと思えば空かさずまた、ズコズコズコズコズコズコッ……――と、肛門を激しく、突き捲る。

そんなレンヤのキスは――紛れもなく、“情熱的”だった。

　　　　　　　　　　　　　　　☆☆☆☆☆

それは、今になって涼子が初めて巡り合ったレンヤのキスで、だからこそ涼子は、驚く。

ここに至るまでに涼子が――唇、乳首、秘裂、またはその他の“肌”で楽しんだレンヤの“キス”は――クッキーの詰め合わせみたいに――実に多彩だった。

それにも拘らず、レンヤがまだ他に“情熱的”という『キスの彩』を持っていたことに、涼子は心の底から驚く、

願わくば――この“情熱的”なレンヤのキスを、最初は“肛門”ではなく“唇”で受け止めてみたかった。

しかしそれも、実のところ些細な問題であるような、気もした。