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第28章 ２８

こうして涼子は、レンヤの舌を使ったクリトリスへの愛撫を、まずは“試供品”として肛門で楽しんだ。

しかしこれからいよいよクリトリスで堪能するに当たって、結局のところどれか一つを選ぶことなど、出来なかった。

だから――先達て、“試供品”たる愛撫を始める前に、レンヤが涼子に聞いた質問――

――次はどんな風に、クリちゃんを責めて欲しい……？――

に、こう答えた。

「今の、“全部”してッ！！」

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もしかしたら自分は、相当な“我儘”を言っているのかも知れない――涼子はそう思った。

でもこの頃の涼子はもう何の疑いもなく、自分には『我儘を言う』“資格”があると、そう信じ切っていた。

（だって涼子は、レンヤ君の“恋人”なんだもの……）

それがたった一つの、“理論的”根拠だったが、加えて言うなら同じ“理論的”根拠に基づいて、こうも信じている。

（レンヤ君は、きっと涼子の“ワガママ”を、何でも聞いてくれる筈だわ……）
　
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そして実のところ、レンヤは涼子のこの“ワガママ”は、実に気前よく聞き入れた。

「イイよ……じゃあ、今の全部してあげる……」

レンヤはそう言ってくれた――が、そんな言葉を聞いて嬉しくなった涼子は、ついこんな“ワガママ”も、言った。

「涼子を、イカせてね……？」

当然ながらその時、涼子はこれも聞き入れられると、そう信じていた。

ところが、レンヤが笑いながらした返答は、涼子が耳を疑うようなものだった。

「フフフ……何言ってるの……？？イカせる訳、ないじゃん……？」

然る後、レンヤはこう続けた。

「だってこれは“オシオキ”なんだよ……？涼子をイカせたら、“オシオキ”にならないだろ……？」

涼子は、呆然とする。