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女優なんて…
第2章 女優 涼風あかね

。。。。。。。。

翌日の彼女の演技は怖いほどに絶好調でした。

メイクさんも「この自然がストレスを失くすのかしら、とても化粧の乗りがいいですわ」と褒め称えるほど涼風さんのお肌はいつにも増して艶々で
監督の大白川も「う~む…申し分ないな」と
思わず舌を巻くほどでした。

マネージャーの方が私にそっと近づいて
「昨夜はお疲れさまでした
お陰で涼風の演技は絶好調ですよ」と
そう言って意味深にニヤリと笑った。

大白川監督が
「とうだい、君。
ラッシュというのを見てみるかい?」と
撮影に興味があって食い入るように見ていた私に
今、撮り終えたばかりのシーンの出来映えを
小さなモニターで見せてくれると言ってくれた。

ラッシュを見れるなんて
こんな経験はまたとないので
私はモニターを食い入るように見つめた。

モニターの中の涼風さんは
涼風さんであって涼風さんではなかった。
上手く言えないけれど
それは昨夜、肌を重ねた女と同一人物か?と思うほど別の女が映し出されていました。

「彼女、すごいだろ?」

頬をくっつけるようにして
隣から同じようにモニターを眺めながら
マネージャーがそう言った。

「彼女がうちの事務所の至宝だと僕が言った理由をわかっていただけましたか?」
涼風さんの名演技に何度もウンウンと首を縦に振りながらマネージャーさんは満足そうに頷いた。

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