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ひだまりのねこ
第8章  事件②

トイレの中がトイレットペーパーで溢れかえっていたのである。
優佳は思わずこう言ってしまった。

「ひょえぇぇぇええ!!」

そう言うとその場にへなへなと座り込んでしまった。
その姿を後ろからクロちゃんは見ていたのだ。

振り返るとクロちゃんと目が合った。
すかさず、優佳はこういう。

「クロちゃんっ!!」

それを聞くとクロちゃんは今度は部屋の中にある箪笥の上にダダダダっと上って逃げた。

どうやらクロちゃんは優佳が閉め忘れたトイレに入りトイレの蓋の上に上がり、トイレットペーパーが設置してあるトイレットペーパーを爪で引っ掛け引き出していたらしい。

面白いようにペーパーが出てくるので、それをやめられなかったらしいのだ。
で、最後まで引き出すとつまらなくなったのかやめてしまった。

こうして、トイレの中にトイレットペーパーが溢れかえったのだった。
優佳はこのトイレットペーパーをどうしようかと悩んだ。

捨てるのも勿体ないと思っていた。
仕方が無いので、トイレットペーパーを芯に巻き付けてゆくことにした。

その作業は数十分程かかった。
トイレットペーパーを巻きつけ終えてから優佳はクロちゃんを呼んだ。

クロちゃんはその声に反応して箪笥の上から降りてきた。
優佳は言う。

「クロちゃん、トイレットペーパーこんなんにしたらダメだよ」
「(え?いけないの?面白かったのに)」

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