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ひだまりのねこ
第10章 嫌い①
その尿を取り顕微鏡で結石があるかどうか見てみるのである。
顕微鏡で見た結果、結石のようなものがあることが分かった。
「先生、どうしたらいいんですか?」
「食事療法で何とか石ができないようにするしかないかな」
「クロちゃんカリカリご飯食べてるでしょ?」
「はい、食べてます」
「それはやめて、ウェットご飯に変えるといいと思うよ」
「そうですか…」
「その前に、処方食出すからそれ食べさせてね」
「わかりました」
そう言うと先生は処方食を出してくれた。
どうやらクロちゃんは初期の膀胱炎らしかった。
男の子の猫ちゃんは膀胱炎になりやすいのである。
クロちゃんも例外ではなかった。
初期症状だったので処方食を出されたのだった。
その後、クロちゃんは暫く病院通いをすることになった。
優佳はその間、クロちゃんに付きっ切りだったのである。
クロちゃんは優佳がずっと一緒にいてくれることが嬉しかった。
優佳の看病の甲斐もあり病院通いをした結果、石は消えて無くなった。
だが、またいつ再発するか分からなかったので、定期的に尿を取り病院で検査を受ける事になった。
その検査を繰り返すうちに、クロちゃんの石はできなくなっていった。
これを境に、クロちゃんのご飯はカリカリからカルカンの缶詰になったのである。