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ひだまりのねこ
第12章  マル

その血便を優佳は見ていた。
もう、今夜が最期だろう。

そう優佳は思っていた。
優佳は歩くのをやめて床に座ってマルを抱きしめていた。

「マル、頑張ったね。いい子だったね」

そう優佳はマルに話した。
そうすると、マルは一言「ワン!」と鳴いた。

その後、マルの身体が動かなくなった。
優佳はマルの名前を何度も呼んだ。

だが、二度と返事をすることは無かった。
時計を見ると8時22分だった。

マル15歳9か月の犬生だった。
その後、優佳は激しく泣いた。

クロちゃんはその傍にいてそれを見ていた。
優佳はどれだけの時間泣いたのか分からなかった。

泣き終わるとこう言った。

「マル、お外にお散歩に行こうか?」

優佳はマルを抱っこして暗い外に出た。
夜空を見上げると大きく綺麗な満月が輝いていた。

優佳にはその満月が滲んで二重に見えるのだった。

マルは虹の橋を渡って行った。


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