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因果応報
第5章 ヤレヤレな出張〜松本杏奈
朝一番の上りの新幹線に乗るために、チェックアウトしようとしていたら、
後ろから名前を呼ばれる。
振り返ったら龍太郎さんが立っていて泣きそうになってしまった。
「えっ?どうしてここに?」と言うと、
「車飛ばして迎えに来た」といつもの落ち着きを払ったような低い、でも優しい声で答えて、
私のバッグを持ってくれる。
「ん?
荷物はこれだけ?」
「宿泊の予定じゃなかったから」
「そうか」というと、
自分のカードでチェックアウトをして、
「じゃあ、帰ろうか」と笑うので、
私はそっと龍太郎さんの腕に自分の腕を絡めてエレベーターに乗った。
エレベーターのドアが閉まると龍太郎さんは私を少し強く抱き締めて、
「心配だったから」と囁いて、
額にキスをしてくれた。
礼儀正しくて優しい親愛のキス。
龍太郎さんは車の中でもずっと手を握り締めてくれていた。
サングラスを掛けたいつもの運転手さんのミラー越しの視線も気にしないで、私は身体を龍太郎さんに預けながら少し眠った。
微かに香るコロン。
大きくて安心出来る温かい身体。
静かに車が止まる。
「ついたよ」と言われて、
すっかり眠り込んでしまったことに気付いて恥ずかしくなりながら、
「ありあわせで良かったら、
朝食、ご一緒にいかがですか?
佐伯さんも良かったら」と言うと、
龍太郎さんは短く「ありがとう」と笑う。
佐伯さんは、
「いえ、わたくしは…」と遠慮して、
龍太郎さんは、
「タクシーで帰るから。
ありがとう」と言って、
佐伯さんをそのまま帰してしまった。
後ろから名前を呼ばれる。
振り返ったら龍太郎さんが立っていて泣きそうになってしまった。
「えっ?どうしてここに?」と言うと、
「車飛ばして迎えに来た」といつもの落ち着きを払ったような低い、でも優しい声で答えて、
私のバッグを持ってくれる。
「ん?
荷物はこれだけ?」
「宿泊の予定じゃなかったから」
「そうか」というと、
自分のカードでチェックアウトをして、
「じゃあ、帰ろうか」と笑うので、
私はそっと龍太郎さんの腕に自分の腕を絡めてエレベーターに乗った。
エレベーターのドアが閉まると龍太郎さんは私を少し強く抱き締めて、
「心配だったから」と囁いて、
額にキスをしてくれた。
礼儀正しくて優しい親愛のキス。
龍太郎さんは車の中でもずっと手を握り締めてくれていた。
サングラスを掛けたいつもの運転手さんのミラー越しの視線も気にしないで、私は身体を龍太郎さんに預けながら少し眠った。
微かに香るコロン。
大きくて安心出来る温かい身体。
静かに車が止まる。
「ついたよ」と言われて、
すっかり眠り込んでしまったことに気付いて恥ずかしくなりながら、
「ありあわせで良かったら、
朝食、ご一緒にいかがですか?
佐伯さんも良かったら」と言うと、
龍太郎さんは短く「ありがとう」と笑う。
佐伯さんは、
「いえ、わたくしは…」と遠慮して、
龍太郎さんは、
「タクシーで帰るから。
ありがとう」と言って、
佐伯さんをそのまま帰してしまった。

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