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因果応報
第7章 狂う歯車
翔くんと名乗った彼に、
アタシはすぐに夢中になっていた。

っていうより、
翔くんがアタシに夢中になってると勘違いしていた。


返信しなくても、
LINEをくれる。

会いたい。
可愛い。

と、何度も言ってくれる。


手を握られて、
ハグされて、
キスもしてくれる。


アタシだけだと、
思い込んでいた。


お店では若手で、
そんなに売上が良い方ではないのも、
水商売に慣れてない、
学生のバイトっていう感じがして、
そこも良かった。

友達の推しのホストは、
高いシャンパンやツマミを平気で頼んでたけど、
翔くんは遠慮しながらアタシと同じ安めのビールとかを嬉しそうに飲んでくれてたし。


高田馬場の大学の学生で、
学費の為に効率的に稼げると思って、
この仕事を始めたばかりだと聞かされていた。


洋服や靴、時計やリングも、
安物を身につけているけど、
おねだりすることもなかったし、
同伴やアフターを頼まれることもない。

そりゃあ、その店のお酒やツマミは、
普通のお店よりはかなり高かったけど、
最初はそんなに気にも留めてなかった。


でも、それは最初だけで、
アタシの金銭感覚は段々おかしくなっていった。


おまけに、そのお店に最初に連れて行ってくれた友達は、
旦那のお金で、
お気に入りのホストに明らかに貢いでいるのを何度か目にした。


売上に貢献してあげるとか、
時計とかを買ってあげるとかを当たり前にしていた。



翔くんと二人になった時に、
「翔くんはおねだりとか、しないのね?」と言うと、

「雅美さんに嫌われなくないから…」と可愛いことを言ってくれるから、
アタシはすっかり気を許してしまっていた。



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