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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~
第6章 SideⅥ(沙絢)~恋人たちの聖夜
「俺が沙絢を好きだからでは、理由にならない?」
―この花を受け取って貰える?
言葉にはならない想いが伝わってくる。今、ここで彼の差し出してくれた手を取らなければ、沙絢は永遠に彼を失うことになるだろう。そして、これからの後の長い一生をずっと後悔しながら生きてゆかなければならないことも。
今は自分の心に素直になるべきよ、沙絢。
彼女は心で呟き、跪いた彼に両手を差し出した。