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Call Girl
第4章 Call 4
「佳穂にまた会いたいんだけど、指名はできるかな?」
「あぁ、その件ですか、佳穂ちゃんは暫く仕事を休ませますから指名は取れません」
「何故ですか?何かあったんですか?」
藤堂は話をしようかどうか悩んでいた。
でも、相手は佳穂と一緒になりたいと言っている伊藤なのだ。
事情を説明しても良いのではないかと思った。
そして、こう続けた。
「伊藤さん、良く聞いてくださいね。佳穂ちゃん、今ちょっと具合が良くなくて、それで仕事を休ませてるんです」
「どこが悪いんですか?」
伊藤が心配そうに聞いてくる。
「不正出血があるって本人が話してるんです。もしかしたら子宮頸がんかも知れない」
そう言うと藤堂は黙ってしまった。
伊藤は驚いてこう言った。
「え?ガンですか?」
「いや、まだ、ガンだとは言い切れないのですが…」
「今、佳穂はどこに?」
「医者に行くように先ほど話したんですが…」
それを聞くと一瞬黙り込んだが直ぐにこう言ってきた。
「まだ、ハッキリとした事は分からないんですよね?」
「ええ、そうです」
電話の向こうでは伊藤がとても心配しているのが分かった。