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おとなの女性の為のえっちな恋愛カタログ
第5章 カタログ NO 4 とあるカップルの週末
『…――ろ』
何だろう 声聞こえる
誰?今日はお休みだよ?
もうちょっと寝たい…よ
ゆさゆさと身体を揺すぶられる
沈んでいた ゆりかの意識が
少しずつ浮かび上がって来て
薄っすらと重たい瞼を開いた
「ん?ゆりか。起きたか?
お前が起こせっつったんだろ?
さっさと、起きろぉ」
ぼんやりとしながら
上から覗き込んでる顔を見ると
自分の恋人である
石黒 律の顔が見える
ああ 私の彼氏さんは
今日も朝から男前だなと
ゆりかがぼんやりと考えながら
うとうと…とまた眠りに戻ってしまって
「バッカ、お前ッ、寝てんじゃねぇよ!
起こして貰っといて、寝んな。アホたれ」
そう今度はさっきよりも
大分雑な起こされ方をして
うう゛―――んと
地の底から響く様な
そんな声を出しながら
もぞもぞとベッドの中で
ゆりかが身じろぐのを
律が静かに見ていて
コイツ 毎度ながらに
低血圧でかなり 寝起きが悪い
「ゆりかぁ。さっさと
起きねぇと、チューすんぞ?
チューして、良いのかぁ?」
「…して」
シーツの山から声が聞こえて来て
「目、そしたら醒めるかも…?」
もうしっかり返事してるクセにと
律も思いながらに
そのシーツの塊の端を捲ると
中に隠れていた
ゆりかがこちらに手を伸ばして来るから
「起きてんじゃねぇかよ。んじゃ
チューはしなくていいよな?」
「やだぁ、ダメ。寝る、
5秒以内にチューしてくれないと寝るッ」
どうにも俺の彼女様は
朝から我が儘な様だ
まぁ 俺から見ても ゆりかは
ふわふわとして可愛い
お姫様みたいな見た目をしてるから
今までのコイツの彼氏も
コイツの親も蝶や花やと
ゆりかを可愛がって育てて来て
こんな 我が儘娘に育ったのかもな
「寝てる、寝てるから私」
「わぁった、わぁった」
甘やかしてはダメだとは
俺も思っちゃあ居るんだが
どうにも 可愛いので
ついついに甘やかしてしまって居る
律がゆりかの頬に
チュっとおはようのキスをすると
「そこだけ…?ここには?なしなの?」
そう言ってキスを唇にも欲しいと
ゆりかに強請られてしまえば
こっちだって 朝から
キスだけでは当然…済まなくなる訳で
「いいのか?ゆりか。
んなトコに、チューしちまったら。
朝から、えっちぃ事、する羽目にならぁ」