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おとなの女性の為のえっちな恋愛カタログ
第6章 カタログ NO 5 秘密の個人授業 前編
だから…私自身も
彼の獅堂の赤点には疑問しか無くて
期末試験のテスト用紙を取り違えたのかと
氏名を何度も確認してしまった位だ
私がそんな風に思う理由は
彼は 獅堂はどちらかと言うと成績は
どの教科も優秀で
常にトップクラスなのにだ
何故…そんな…成績優秀の彼が
こんな…簡単過ぎるテストで
赤点を取ったかと言う…訳を
この夏季補習の中で 私は
…彼の学力をどうこう
しなさいと言うよりは
彼の悩み相談を受けて来なさいと
学年主任から事前にお達しを受けていて
それ位に 獅堂総一郎の赤点は
あり得ない事だったからだ
「気にするな。獅堂。これも私の仕事だ。
それよりも、獅堂。
体調でも悪いのか?珍しいなあんな点数」
同日の試験の他の教科も赤点なら
純粋に体調不良だろうが…
その日の試験の全5教科の中で…
私の担当している社会の
地理も歴史も…本来なら
彼の得意教科のハズなのにだ
地理の科目だけ赤点を取るとか言うのは
どう考えてもおかしい
同日の1限目の歴史の試験は
彼は学年の中でも
トップクラスの点数だったのにだ
それもそっちの歴史の方が
内容を難しくした試験だったのにだ
そして何故か誰も赤点を取れない様にした
こっちで 獅堂は赤点を取って来たからだ
いや 取ったからこそ
彼は今私の目の前に居るし
他の誰もが赤点を取れない様に
私が簡単な試験にしたからこそ
今 目の前に彼しか居ないのだ
「先生。
俺は、基本的にいつも健康なので…。
体調を崩すことはありませんが?
時間…、過ぎてますよ?補習の開始時刻」
そう言って適当に高校生に濁されてしまって
成績優秀な彼に無意味な
補習授業を私は長々と行った
ホワイトボードに重要な事項を
カラーペンを使って書きながら
その手を止めて
ホワイトボードに視線を向けたままで
獅堂に対して問いかけた
「悩み…でも…あるのか?獅堂」
「は?悩み…ですか?」
「若い時の苦労は買ってもせよとは言うが、
何か、あるのか?若者特有の悩みでも」
若者の特有の悩みとは
自分でも言ってはみたが
「進路か?親御さんが、進学の
学費の工面が出来ないと言う生徒は
進学希望の生徒の中にも多いが…。
獅堂の家はその辺りの問題は無さそうだな」