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Squall(スコール)〜ボクっ娘は雨に濡れて拾われる
第6章 旧華族屋敷
「山井圭介っていう伯父がいてな。この屋敷はその伯父さんの家なんだよ」
 
 応接間のソファーに座らせたスミカへ、自分の分と彼女のためにオレンジジュースを持ってきてやった征也は、スミカが落ち着くのを待ってから、おもむろ喋りだした。

「その山井伯父が変わり者でな。婿養子で結婚した奥さんが病気で亡くなってから、ここに一人で住んでいたんだが、二年前に急に旅に出るって言い出した」

 スミカは黙っている。黙って彼の顔を見ている。さっきまで泣いていたので目が赤い。彼は、彼女が聞いているのかいないのか、気にしていない様子で続ける。

「伯父は、自分が留守のあいだ、この家を空き家にしたくない、誰かに住んで欲しいと親戚たちへ言ったてきた。伯父には子どもがいない。で、ガキの頃から伯父さんに可愛がってもらった俺に、留守を預かる役目が、回り回ってやってきた、っていうわけだ」

 グラスを取り上げ、オレンジジュースを一口飲む。
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