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Squall(スコール)〜ボクっ娘は雨に濡れて拾われる
第2章 拾う
「チッ」
舌打ちした征也が車を止めた。ドアを開け、傘を差し、車を降りる。傘を差しているのにすぐにびしょ濡れになった。
「チッ…」
また舌打ちをした。ぶっ倒れた人物へ向かって、長い足でゆっくり歩いて行く。
そいつは若い男のように見えた。黒いTシャツとブルージーンズ。バッグやカバンは見当たらない。
死んでいるのか、と思ったら、その男がゴロンと仰向けになった。濡れた髪が張り付いているので顔立ちはわからない。目をつむっている。小さな耳に安っぽいピアスが光っている。
「おい。あんた。おい」
投げやりな彼の呼びかけに、男がうっすらと目を開けた。
「あ、はい」
女のような、高い声で返事があった。征也はまた小さく舌打ちをする。
「何してんだ」
「僕ですか?」
「僕ですか、じゃない。こんな大雨の中で寝転がってどうしたんだと聞いているんだよ」
「動けなくて…」
「病気か?具合が悪いのか?」
舌打ちした征也が車を止めた。ドアを開け、傘を差し、車を降りる。傘を差しているのにすぐにびしょ濡れになった。
「チッ…」
また舌打ちをした。ぶっ倒れた人物へ向かって、長い足でゆっくり歩いて行く。
そいつは若い男のように見えた。黒いTシャツとブルージーンズ。バッグやカバンは見当たらない。
死んでいるのか、と思ったら、その男がゴロンと仰向けになった。濡れた髪が張り付いているので顔立ちはわからない。目をつむっている。小さな耳に安っぽいピアスが光っている。
「おい。あんた。おい」
投げやりな彼の呼びかけに、男がうっすらと目を開けた。
「あ、はい」
女のような、高い声で返事があった。征也はまた小さく舌打ちをする。
「何してんだ」
「僕ですか?」
「僕ですか、じゃない。こんな大雨の中で寝転がってどうしたんだと聞いているんだよ」
「動けなくて…」
「病気か?具合が悪いのか?」