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Squall(スコール)〜ボクっ娘は雨に濡れて拾われる
第9章 ただいま
まだ暑い日はあったが、空の表情に秋の気配を感じる。そんな雨上がりの朝。うつむき加減で坂道をとぼとぼと登る痩せたシルエットがあった。小柄な若い男だ。オーバーサイズの白いTシャツにダボっとしたブルージーンズ、底のすり減ったコンバース、痩せた背中に小さなリュックを背負っている。黒髪のボブヘアーは女性に見えなくもない。小さな白い顔は可愛らしく中性的だ。片方の耳に銀色の小さなピアスをしている。
坂道を登り切ったところに大きな屋敷があった。黒い鉄の門扉の前に立った男は隙間から中を覗いた。手入れのされていない雑草の生えた広い庭の向こうに大きな西洋館が建っている。門から伸びている道が西洋館の前でぐるっと輪を描いてる。そこに赤い車が停まっていた。イタリアのアルファロメオだ。
庭を覗くのをやめた男は、一歩下がり、門柱に取り付けられたインターフォンを眺めた。乾いた風が男の髪を揺らしてもて遊ぶ。インターフォンへか細い手を伸ばしてやめ、また伸ばしてはやめてを繰り返す。しばらくそんな無意な行動を繰り返し、やっと決心したように、男はインターフォンのボタンを押した。
坂道を登り切ったところに大きな屋敷があった。黒い鉄の門扉の前に立った男は隙間から中を覗いた。手入れのされていない雑草の生えた広い庭の向こうに大きな西洋館が建っている。門から伸びている道が西洋館の前でぐるっと輪を描いてる。そこに赤い車が停まっていた。イタリアのアルファロメオだ。
庭を覗くのをやめた男は、一歩下がり、門柱に取り付けられたインターフォンを眺めた。乾いた風が男の髪を揺らしてもて遊ぶ。インターフォンへか細い手を伸ばしてやめ、また伸ばしてはやめてを繰り返す。しばらくそんな無意な行動を繰り返し、やっと決心したように、男はインターフォンのボタンを押した。