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Squall(スコール)〜ボクっ娘は雨に濡れて拾われる
第10章 雨女
玄関までスミカを出迎えた征也は、居心地が悪そうに頭を掻いた。
「まあ、その、上がれ」
「はい……」
ぶっきらぼうな声にスミカのか細い声が重なる。
「元気だったか」
「はい」
居間へ続く廊下を先に立って歩き、背後のスミカへ話しかける。
「売りはやっていないな」
「……はい」
「立ちんぼも?」
「やっていません」
「よろしい」
「あのう」
「なんだ」
「うッ、く」
急に立ち止まった征也の広い背中へ、後に続くスミカはぶつかりそうになった。
「お言葉に甘えて、帰ってきちゃいました」
「おう」
立ち止まった背中が、振り向きもせずに再び歩き出す。
「すみません」
「構わん」
「僕は……お邪魔じゃないでしょうか」
「おまえが邪魔だったら、帰ってこいなんて言わん。それに、この家には俺一人しかいないんだ。遠慮はいらんぞ。それから……」
言いながら、応接間のドアを開ける。
「女が"ボク"なんて言うな。うぜえわ。ボクっ娘なんて、エロラノベの中だけでいい」
「で、でも、ずうっとボクでやってきたんで」
「ふん」
「まあ、その、上がれ」
「はい……」
ぶっきらぼうな声にスミカのか細い声が重なる。
「元気だったか」
「はい」
居間へ続く廊下を先に立って歩き、背後のスミカへ話しかける。
「売りはやっていないな」
「……はい」
「立ちんぼも?」
「やっていません」
「よろしい」
「あのう」
「なんだ」
「うッ、く」
急に立ち止まった征也の広い背中へ、後に続くスミカはぶつかりそうになった。
「お言葉に甘えて、帰ってきちゃいました」
「おう」
立ち止まった背中が、振り向きもせずに再び歩き出す。
「すみません」
「構わん」
「僕は……お邪魔じゃないでしょうか」
「おまえが邪魔だったら、帰ってこいなんて言わん。それに、この家には俺一人しかいないんだ。遠慮はいらんぞ。それから……」
言いながら、応接間のドアを開ける。
「女が"ボク"なんて言うな。うぜえわ。ボクっ娘なんて、エロラノベの中だけでいい」
「で、でも、ずうっとボクでやってきたんで」
「ふん」