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第3章 スミカ

「食い物は、ピザでもいいか。俺が昨日食った残りものだが」
「なんでもいいです。本当にすみません。ありがとうございます」

　洗面所から、彼は男のためにタオルを持ってきてやった。

「服を脱いだらよこせ。下着も脱いじまえ。びっしょりだろう。俺のと一緒に洗って乾かしてやるから」
「あ…はい。ありがとうございます」

　何度も礼を言い、座り込んだままの男が、横を向き、Tシャツを脱いだ。ジーンズも脱ぐ。

「床を汚しちゃってごめんなさい」
「…いや」

　征也の前で下着も脱ぎ、彼から渡されたタオルで、丁寧に、濡れた髪と痩せた体を拭き、やはり彼から渡されたシャツを着た。サイズが大きすぎて生地が余っている。

　脱いだ服と下着を受け取った征也は、洗面所へ行き、先に、さっき脱いだ自分の服を洗濯機に放り込んだ。スミカが脱いだ服も放り込む。洗剤を入れ、スイッチを入れようとして…やめた。