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酒淫(しゅいん)
第1章 酒淫…


 わたしが初めてお酒を飲んだのは…
 大学に入学をし、無理矢理連れていかれたサークルの新歓コンパでした。

 わたしはそれまでは田舎の女子高で、いい大学に入りたくて必死に毎日勉強だけをしてきた女子…

 テレビでチヤホヤされる女子大生を見て…
『東京の、いい大学に入れば人生花開くんだ』
 そう思い、決心し、高校時代は必死に勉強一筋の青春でした。

 その甲斐あって見事、第一志望のブランドと云われる某大学に合格しました…

『よし、いよいよ大学デビューするぞ』

 まずはファッション…
 必死に雑誌をチェックし、髪型を決め、洋服を買い漁ります。

 次に化粧…
 思い切って渋谷の某デパートの有名化粧メーカーのお店の美容部員のお姉さんから化粧のレクチャーを受けました。

 そして、よく東京はわからないけど、名前を知っている地名の『吉祥寺』にアパートを借りました。

 あ…
 わたしの家は、田舎で云う処の名家でお金持ちなんで、金銭的な心配はありません。

 そして、春…
 満を持して上京し、無事に大学に入学をし、そしてウキウキな流れで、誘われるままに某サークルの新歓コンパに参加したのです。

「さあっ、イッキ、イッキ、イッキ…」
 そして周りの先輩方から勧められるイッキコールの勢いのままに、初めてのお酒をグイグイ、ガンガンと飲んでいきます。

「おおー、強えぇ…」

 そう、わたしはお酒は初めて飲んだのですが…
 どうやら強いのです。
 きっと家系なのでしょう。
 ウチの家族、いや、先祖、親戚、皆、大酒飲みなのです。

 だから、初めてのお酒にもかかわらず…

 強い…

 いや、強いが故に、大量にお酒が飲め…

 初めてのお酒が故に、限界がわからなかった…

 そして…

 意識を無くしてしまったのです…





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