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酒淫(しゅいん)
第1章 酒淫…



「………ぁ…ぅ…ぅぅ……」

 目覚めた時、強烈な頭痛と吐き気に襲われました。

 ああ、頭が痛い…

 気持ち悪い…

 お水、お水が飲みたい…

 わたしは必死に起き上がり、お水が欲しくて当たりを見回します。

「え…あ、あれ?…」

 ここはどこ?…

 見た事の無い風景、いや、部屋でした…

「え…、あ…、ま、まさか…」

 まさか…

 まさかのラブホテル…

「え…」
 もちろんラブホテルなんて初めてですが…
 さすがのわたしでもわかりました。

「あ…え…」

 じゃあ、誰と?…

 慌てて、ベッドを振り返って確認すると…

「あっ…」
 見た事の無い男の人が眠っていたのです。

 しかも…

 二人も…

 裸の男の人が、ラブホテル特有の大きなベッドに寝ているのです。

 そしてなんと…

 わたしも裸でした…


「えっ、ええー」
 わたしはパニックになりました。

 えっ、なに?…

 ど、どういうこと?…

 全く、昨夜の記憶が無いのです…

 いや、新歓コンパでイッキコールで連続してイッキ飲みしたまでの記憶が、その記憶しか無いのです…

「あ…起きたのか…」
 すると一人の男の人が目を覚まして、辛そうな顔をしながらそう呟いてきました。

「……あ、は、はい…」
 わたしは恥ずかしくて慌ててクシャクシャになってるシーツをカラダに巻きつけながら、返事をします。

「お、お前……凄いなぁ…」
 するとその男の人がそう言ってきました。

「え、す、凄いってぇ?…」

「いや、凄いから、凄いって…
 え、覚えてねぇの?…」

 わたしはコクンと頷きました…
 本当、全く覚えてないのです。

「うぅぅ…」
 すると、もう一人も目覚めました。

「う…、あっ、あぁっ」
 そしてその男の人はわたしを見るなり、うめき声を上げたのです。

「あ、も、もう出来ないからなっ」
 そうも続けて言ってきます。

 え…
 もうできないって…

 まさか…

 わたしはその言葉に一気に焦燥感を感じ、思わず下半身を見てしまう。

 まさか…




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