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料理の旨い男…
第1章 料理の旨い男


 決して嫌いなタイプでは無い…

「ええ、頂こうかしら…」

 そしてわたしはご馳走になる、そして、それはつまりは…


「もしかしたらシェフさん?なのかしら…」
 さっきの話しでは『俺もそうだ…』と言っているのが聞こえてきたから…

「あ、はい、フレンチレストランを3軒程…」
 と、男は得意気に言ってきた。

 そして…
「明日は、このホテルで最新トレンド料理素材の講習会があって、前泊してるんです…」

「そうなんですか…」

「はい…」
 そう男は言いながら、わたしを値踏みする様に一瞥してきた。

 いやらしい目…

 実はわたしは、そんな男のいやらし目な大好物なのだ…
 まずはその目で、そのいやらしい目で犯される様に見られると濡れて、疼いてしまうのである。

「なんか…料理に自信があると…」
 わたしは我慢出来ずに、自分から呼び水を掛けてしまう。

「あ、う、うん…」

「アレンジが得意だって…」

「うん…」

「あら、素敵、愉しみだわ…」

 わたしは思わず先走った囁きをしてしまう…


「………」
 すると、男は黙って頷き、目を輝かせ、ゴクリと喉を鳴らす。

 そしてわたしはコースターの裏に部屋の番号を書き…
「30分後ね…」
 と囁き、バーを出る。

 もう、我慢できなかった…

 部屋に戻り、急ぎシャワーを浴びる…




 ピンポーン…

 30分後ちょうど、呼び鈴が鳴った。

 どんなアレンジをしてくれるのだろう…

 楽しみで、愉しみで堪らない…





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