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憂鬱な淫夢…
第1章 憂鬱な淫夢…
 ②

 そして俺は夢中になって23、24日の土日に休日返上で仕事をし、無事に納期のメドもクリアできて…

「ふうぅ…」
 なんとか午後7時過ぎに、最寄り駅のコンビニで缶ビールとのり弁を買って自宅マンションに辿り着く…
 さすがにチキンとケーキは買う勇気が無かった。

 エレベーターを降り、エントランスの角を曲がると…

「あっ…」

 俺の部屋の前に…
 サンタクロースが立っていた。

 いや、正確には…
 ミニスカサンタのコスプレを着た…
 アイツが立っていたのだ。

「あぁ、ビッツくんおかえりぃ…」
 そのミニスカサンタは満面に笑みを浮かべ、そんな嬉しそうな声を上げてきた。

「あ、な、なんで…」

「だってぇ、お仕事っていってたじゃん」

 確かに、数日前、LINEでそう返事を返したのだが…

 そう、ヤツとはあれからたまにLINEを交わしていたんだ…

「だからぁ、この位の時間かなぁ?ってさぁ」
 そのミニスカサンタはそう言ってくる。

 赤いサンタ然としたモコモコのコスチューム…

 そしてミニスカと白いブーツ…

 すごく可愛く見えてしまった。

「あっ、今ぁ、かわいいってぇ、思ったでしょう?」

「お、思ってねぇよ…」

「もう、ビッツくん相変わらず素直じゃないんだからぁ…」

 そう…

 コイツはいつも、こんな俺の心の隙間に入ってくるんだ…




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