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  バガテル第25番イ短調  (エリーゼのために)
第1章 エリーゼのために…
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 えっ、ぼ、僕を…

 女の子になっていた…

 おちんちんのある女の子の僕を…

 舞香ちゃんに見られていた?…

「もぉ、理想的な感じのさぁ…
 正にさぁ…
 お金持ちの姉妹って感じのさぁ…」

「えっ、し、姉妹?」

「うん、お姉さんが高校生かなぁ?、でもかなり大人っぽい美人さんでさぁ…
 でぇ、妹さんが高校一年生かなぁ?
 ほら、中学生だったら同じ中学校の筈だしぃ…
 あ、私立のお嬢様中学校だったんかなぁ?」

「…………………」
 僕はドキドキしてしまっていて、返事ができない。

「え、駿くん見た事ないんだ?」

「あ、う、うん」

 舞香ちゃんとは中二の時はクラスが別だったから、僕がプリントを担任に頼まれた事は知らないようであったから…
 知らんフリをする。

「本当に美人お姉さんとキュートで可愛い妹さんだったの…
 特にわたしは妹さんに一目惚れ、あ、女同士だから違うかぁ…」
 舞香ちゃんは恥ずかしそうに、そう呟いた。

「そ、そんな、何回か見たんだ?」

「え、うんとね、二、三回かなぁ?
 でもね、妹さんはさ、ほら、下のコンビニで二回くらい見たかなぁ…」

「えっ…」
 僕の高鳴りは、その舞香ちゃんの言葉に、更に、心臓が弾けてしまうくらいにドキドキが増してしまう。

 え、こ、コンビニで…

 そ、そんな…

 コンビニに行った時に二回も見られていた?…

 すっかり女の子化に対して自然に、そして自信が出来てから僕は、何回となくコンビニに買い物に行っていた…

 いや、葵さんに、面白がって行かせられたが正解なのだが…
 でも、僕自身も初夏の頃には自分の心がワクワクしてコンビニに行っていたんだ。

 そして、さっきの舞香ちゃんの…
『もう可愛いくて一目惚れ…』
 という言葉には、ドキドキと、そして秘かにウズウズとした昂ぶりさえも感じてきていたのである。

「だからさぁ、なんかさぁ、あのお屋敷からさぁ…
 ピアノの調べが聞こえなくなっちゃったからさぁ…
 かなりガッカリしてるのよぉ…」
 そう舞香ちゃんは僕の目を見つめながら、呟いてきた。

「…………」

「だからぁ、駿くん知ってるかなぁってさぁ?」

「えっ?」

 その舞香ちゃんの言葉に僕は、違った意味でも…
 ドキンとしてしまう。

 え、も、もしかして…

 



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