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  バガテル第25番イ短調  (エリーゼのために)
第1章 エリーゼのために…
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 僕は、この舞香ちゃんの魅惑的なストッキング脚の煌めく輝きに…
 もうガマンできなくなってしまっていた。

 そして、この舞香ちゃんのストッキングの魅惑を含み、いや、舞香ちゃんという存在の全てが…

 葵さんの喪失感でポッカリと大きく空いて、開いてしまった心の穴を埋めてくれた…

 いいや違う…

 舞香ちゃんが入り込んできたんだ。

 舞香ちゃんが入り込んできて、この心の穴にスッポリと埋まってきたんだと思う。

 そして僕自身も…

 寂しかったから…

 悲しかったから…

 哀しかったから…

 舞香ちゃんに一気に魅せられ…

 惹かれてしまったんだ。

 そして…

 ズルい考えだけど…

 葵さんの導きなんだとも思うんだ。

 なぜならば…
 葵さんは僕の心の声が聞こえ、いや、僕の心の全部が読み取れる不思議な能力を持っていたから…

 バレンタインにチョコとラブレターを貰ったこの舞香ちゃんの存在を、とっくに察知していたから…

 この失踪的な突然の留学という葵さん自身の流れの僕の心の衝撃と喪失による空虚感を…
 この舞香ちゃんが埋め、補ってくれると、読んでいたんだと思うんだ。

 だから、僕がこうなる事は必然であり…

 いや、葵さんの思惑通りであり…

 だからこその始業式前日にあの手紙を家政婦さんに託したんだと思われる。

 ズルい考えだ…
 と、は思うけど、もう僕はガマンができなくなっていた。

 いや、こう想い、そしてこの舞香ちゃんに甘えるしか…
 僕の心は立直れない。

 だから…

 だから、舞香ちゃんを好きになる…

 いや、もう…

 舞香ちゃんが大好きになっていた。

 そして…

 この美しい、煌めくストッキング脚も…

 あ…

 いや…

 僕も…

 また…

 ストッキングが…

 穿きたいんだ…


 
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