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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第9章 瑠美子 39歳
瑠美子は掃除機を引きずって
息子の翔太の部屋に入るのを躊躇っていた。
先月、翔太の部屋を掃除していると
ベッドの下からエロ本を見つけてしまった。
そういう年頃になったのだわと
見てみぬふりをしてそのままにしておいた。
夫にその事を告げて叱ってもらおうとしたら
「男の子なんだから性に対する興味が出て当然だろ?
それよりも、ちゃんと男として成長していることを喜ぶべきだ」と
男同士というのか、やけに理解しちゃったものだから拍子抜けしちゃった。
あれから一ヶ月…
勝手に部屋を掃除するなと言いながら
自分では片付けないものだから
どんどんと汚部屋になってゆく。
今度はどんなモノが出てくるのか
興味はあるもののコンドームなどを見つけてしまったら卒倒するかもしれない。
『やっぱり、このままにしておこう…
あまりにも汚くなったら自分で掃除するのよ』
そう呟いて
翔太の部屋のドアを開けずに引き返した。
中学生になってから
翔太は裸体を自分に見せなくなった。
小学生までは風呂上がりに
フルチンで台所の冷蔵庫を開けてお茶を飲んでたクセに、最近は下半身はおろか、上半身のヌードも見せてくれなくなった。