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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第9章 瑠美子 39歳
これが親離れというやつかしら…
嬉しいような寂しいような…
どんどんと息子が遠くに行ってしまう気がした。
そんなことも要因の一つだったけれど
急に掃除をする気が失せてしまいました。
四十を前にして
最近は肩こりが酷いんです。
掃除機のヘッドを動かすのも辛くなってきていました。
ソファにヘタりこんで
これはプロに解(ほぐ)してもらわないとどうしょうもないわ…
ふと、私の脳裏に最近商店街の路地裏に
新しくオープンした整体院のことを思い出した。
上手か下手か…
百聞は一見にしかずよね
私は掃除で汗ばんだ体をサッとシャワーで流すと
身支度を整えて、その整体院に行ってみました。
まだオープンして知れ渡っていたいのか
受付けは閑散としていました。
呼び鈴を鳴らすと若い男性が奥のカーテンを捲って現れた。
「あの…マッサージとか…しているんですよね?」
現れた青年はスラッとしていて
あまりにもハンサムなのでドキドキしてしまいました。
「ええ、もちろんですとも!
当院のご説明をさせていただきますね」
ソファに腰かけて下さいと言われたので
腰を下ろすと、その青年はバインダーを手にして
まるで恋人のように私の横に密着して座りました。