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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第14章 裕美 30歳

キ~ン、コ~ン、カ~ン、コ~ン…  

六時限目を始めるチャイムの音が
全校に響き渡った。

『あと一時間…
あと一時間でしばらくはこの学校とはお別れね』

私はかなり目立ち始めたお腹を撫でながら
今日が終わればしばらくは産休と育休でお休みを頂くことになっていました。

臨月までお勤めをしたいわ
そのように夫にお願いしてみたものの
「初産なんだ、何があるかわからないだろ?」
そう言って産休と育休制度があるんだから
フルに活用しなきゃと
私の体を労ってくれました。

『別にあくせくして働いているわけじゃないから
臨月まで余裕で働けるんだけどなあ』

保健室の先生なんて
インフルエンザが猛威を奮ったり
大々的な食中毒などが起こらない限り
これといった仕事もなく
保健室の机の前に座ってるだけなので
そうピリピリしなくてもいいんだけど、と
私は明日から退屈になりそうで憂鬱になりかけた。

「さてと…明日からの臨時の保健室の先生に申し送り事項でも書いて終わりにしようかしら」

私はパソコンを起動させて
キーボードを叩き始めました。

そんな時です
一人の生徒が保健室に飛び込んできたのは…


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