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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第15章 朝子 50歳
「汗だくになっちゃったわね…
どう?帰りに銭湯にでも寄っていく?」
「ええ、本当に汗を流したいんですけど…
私、遊び半分でタトゥーを入れているので銭湯にはいけないんですよ」
この時だけ、彼女はフッと寂しそうな顔をしました。
「じゃあさぁ…ラブホテルなんてどう?」
私は女同士ですから何の気もなく
さりげなく彼女を誘ってしまいました。
「本当ですか?うわぁ~!私、ラブホテルなんて行ったことがなくて…行ってみた~い!」
こんなに喜んでくれるんですから
私だって快く彼女と一緒にラブホテルに行きました。
「へえ~…こんな風にお部屋を選ぶのね」
安奈さんは初体験に興味津々です。
私だって、もう何年も利用していないので
相手が安奈さんという女性なのに
なぜかお部屋のドアを開けて二人で足を踏み入れることにドキドキしてしまいました。
「見て!お母さま、大きなベッドだわ」
「いやだわ…お母さまだなんて…
朝子って呼んでよ」
「そうね、今は家庭教師ではなくて
朝子さんのパートナーですものね
朝子さん、一緒にお風呂に入りましょうよ」
ほら、こういう所に来たら
服を脱がしっこするものなんでしょ?
そう言って安奈さんは私のブラウスのボタンを外しにかかりました。