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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第18章 祥子 32歳
「きゃっ!!」
私は思わず驚いて体勢を崩して横座りの姿勢になってしまいました。
すかさず男は私の横に座り込んで
無防備になった私の胸もとへ手を差し込んできました。
「ほんとに妻を差し出せば利息分をチャラにしてくれるんですか?」
私は夫の言葉に『あなた…自分で何を言っているのかわかってるの?』と思わず夫を睨み付けてしまいました。
「それで許して貰えるのなら
どうぞ家内をキャバレーでもソープにでも売り飛ばしてください!!」
信じられませんでした…
夫は自分の保身のために私を売ろうとしているんですから…
「売り飛ばす?ふん…まあ、そういう考え方もあるだろうけど…
俺はね、一目見た瞬間に奥さんを気に入ってしまったんだよ」
男は私の腕を掴んで無理やり立たすと
こっちに来なと
ソファに座ると私をホステスのように隣に はべらせました。
「おい、お前!俺はな、こんな不味いコーヒーなんか飲みたくはねえんだよ!
酒だよ!酒を持ってきな!!」
男に腹を蹴りあげられて
夫は腹を押さえて「うううっ…」と呻きながらも
ラックからブランデーのボトルを取り出しました。