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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第20章 知世 35歳

「きゃあっ!や…やめ…て…ください…」

「随分大きいですね、何か入れてます?」

他に何も隠していないかチェックさせてもらうよと
先ほどまで胸に手を差し込んでわかっているクセに
確認しますと言いながら、事もあろうに私の胸を両手で鷲掴みにしてきたのです。

「や、やめてください!こんなの…」

思わずその手を振り払って声を荒げる。

今度は先ほどとは逆に
私が尾崎をキッと睨み返す。
それぐらいでは尾崎は怯みはしない。
尾崎は悠々とした態度で、
仕方ない女だと、溜め息を吐いた。

「反抗的な窃盗犯ですか…
困りましたねえ…
反省の色も見えないし、これはもう警察沙汰にするしか仕方ないねえ」

尾崎はわざとらしく電話の受話器を手にした。

窃盗犯、とストレートな表現をされたことに
冷静さを取り戻した私は、つい感情的になって尾崎に抵抗した自分の行動を後悔した。

変に意地を張って警察沙汰にされたら、
夫にも連絡されるだろうし…
そう思うと背中を冷たい汗が流れ、
恐怖に足がすくみました。

私は白旗をあげるしかありません。

「どうぞ…満足するまで身体検査をしてください」

それはこの密室での実質上の敗北宣言でした。

尾崎に導かれて、ところどころ破れた古いソファに押し倒されました。

暗く薄汚い室内に、私はブラウスのボタンを外され、シャツから覗く白い胸が浮かび上がった。

尾崎の手は何の躊躇もなく、
ブラを引きちぎるように外すと
私の膨らんだ柔らかな乳房を鷲掴んだ。

大きくて張りのあるその胸は、
ささくれ立ち汚れきった手で、
乱暴に揉まれて卑猥に形を変えていました。

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