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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第20章 知世 35歳

刺激されれば反応してしまいます。
ただの生理現象なのよと、自分に言い聞かせ
感じてなんかいない!と思えば思うほど、
今度は性的な羞恥心も加わり、
のぼせたような感覚に陥ってくる。

完全に勃起した乳首をつまんだまま引っ張られると、恥ずかしさと快感に思わず鼻にかかった甘い息が漏れた。

「ああ…ん…」

「取り調べで性的に興奮するなんて、
よほど欲求不満なんですねえ」

いやらしい目でじっと見つめられながら言われると、嫌なはずのになぜか乳首がさらに硬く勃起してしまいます。

恥ずかしくて情けなくて居た堪れない。
顔を真っ赤に染めて私は思わず涙ぐんでしまいました。

「頃合いかな?」

そう呟いた尾崎は乳首を強く握り潰すように
乳房ごと摘み上げながら、
片方の手を足の間に滑り込ませてきました。

「あぁっ!だめ…」

駄目と言いながら期待している、
そんな自分を私は嫌悪混じりに認め始めていた。

優しい夫では考えられない乱暴な刺激は新鮮に感じられたし、
なによりここまで強引に男性から女性としての肉体を求められているという事実は私の自尊心をくすぐっていました。

尾崎の手はショーツの中に潜り込み
ぬめりのない乾いたクリトリスを、
硬い指で擦られる度にぢりぢりとした痛みで苦痛に満ちていました。

私は顔を歪めて歯を食いしばり痛みに耐えました。

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