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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第22章 遥 26歳
今夜はシトシトと雨が降っていた。
ただでさえ憂鬱なのに
ますます気が滅入ってしまう…
遥は銀座の高級クラブでホステスをしていた。
そこへ客として来ていた男に気に入られて
半ば強引に入籍させられました。
周りの人達からは玉の輿だと妬まれたが
当の本人はそれほど幸せではなかったんです。
実は、夫である富豪は男性しか愛せない性癖の持ち主だったのです。
それは入籍前から薄々感じていました。
アフターに誘われても、食事をしてそのまま帰宅させられたのですから。
一度もベッドインしないままに
私は是非とも妻として迎えたいと
気乗りしないままに入籍しました
ハネムーンで迎えた初夜も
ツインのスィートルームで夫は一度もベッドから抜け出さず、私のベッドには来てくれませんでした。
もしかしたら病気かなにかで男性として不能なのかもしれないと、私は夫の体を心配しましたが
すぐさまそれが杞憂だとわかりました。
ある夜、夫の寝室から
執事の男との悩ましい声を聴いてしまったからなんです。
そして、今夜もまた
執事は夫の寝室に呼ばれて行きました。
情事が終わって夫の寝室から出てきた執事を
こういうことは良くないことなのよと諭してあげようと自室に招きました。