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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第22章 遥 26歳

忘れかけていた男から受ける荒々しさに
「きゃっ!」と私は男を誘うような甘い悲鳴をあげた。
浩三は私の足を撫でるように手を滑らせて
ついには私のつま先に口づけた。
足の指を念入りに一本一本口の中に入れて、
舌でピチャピチャッとしゃぶり始めた。

丁寧な愛撫…
まるで自分が女王さまになった気分にしてくれる。

足の指の間を執拗に舐められ、私は戸惑っていた。濡れた舌が敏感な皮膚の上を滑る感覚が、足先から上がってくる。微弱な電流を子宮に向けて流されているようだ。

「浩三…何か…何か変な気分…」

私の足を舐めまくる浩三は、少し優しく笑うと、
「どのように変なのでしょう?」と、
つま先からふくらはぎへと舐め上げてくる。
太股へ到達し、もう片方の太股を浩三の整髪料で固めた堅い髪がくすぐった。

「どのように変なのでしょうか?…
わたくし、以前から遥さまのお綺麗なおみ足を
舐めたくて舐めたくて仕方がなかったのでございます」
そんな能弁な彼は内ももを舐めながら
両足の間に彼の頭を押し進めてきた。
股間の奥にムズムズする懐かしいな感覚が襲った。
これはなんだろう。体の中が騒ぎだし、落ち着かなくなっていく。

「ああ…やっぱりダメ…浩三、それはよくないわ」

不意に私の心に不貞という文字が浮かんだ。
抱いてくれなくても私はやっぱり人妻なのだと浩三を制したが、
彼はもはや制御不能になっていて、無防備な私の花弁へと吸い付いた。
驚きのあまり声も出せず、
反射的に逃げようとした身体を、
浩三はしっかりと捕まえて離してくれなかった。


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