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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第24章 早苗 33歳
男が髪をセットし終えてスーツを着はじめている。
そんな男の背中を、うっとりとした眼差しで
私はベッドに横たわって見つめていました。
「ねえ、今度はいつ会って貰えるの?」
「さあな…俺たちは世間から許されない不倫関係なんだぜ
恋人のように簡単には次の約束なんか出来ないさ」
「そんな言い方しなくてもいいじゃない
私はあなたとは不倫じゃなくて恋愛だと思っているわ」
「そんなことをいいながら、
許されない関係だからこそ
抱かれて感じているクセに」
男は身支度を整えると
ベッドに寝ている私の口にキスを落とす。
満足したくせに、キスをされるともう一回セックスがしたくなる。
私が男の股間に手を伸ばそうとすると
もう終わりだよとばかりに
男はスッと立ち上がる。
「いつものように部屋代を精算しておくから
時間までにはチェックアウトしてくれよな」
腕を取ってベッドに引きずり込もうとする私の手を振り切って「じゃあな」と男は部屋を足早に出ていった。
『なによ!一回や二回だけ逝かされただけで
私が満足するとでも思っているの?』
私は枕に顔を埋めて男の残り香を吸い込む。
決して結婚生活に不満がある訳じゃない。
こうして他の男に抱かれながらも
夫の事は愛している。