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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第26章 和美 39歳
「ママ、いってきま~す」
今年、小学生になったばかりの娘は
大きなランドセルを背負って学校に元気良く登校して行きました。
その後を夫が仏頂面で玄関を出る
「あなた、いってらっしゃい」
なるべく明るい声で夫を見送るが
行ってきますとも言わず
無言で私に背を向けたまま足早に家から遠ざかって行きました。
半年前、夫が不倫していることを知りました。
別れて欲しいと夫は私を捨てたい事を告げましたが
私は頑なに離婚を拒みました。
離婚して生計を立てる自信がなかったんです。
もしどうしても別れると言うのなら
不倫相手の女にも慰謝料の請求をすると言うと
女は自然と夫から離れて行ったそうです。
離婚するもしないも妻である私に権利があるんですから当然の主張をしたまでですが
夫からしてみれば愛人との仲を引き裂いた憎き女となってしまったようです。
当然、夫とのセックスなんて望めません。
いくら私が要求しても夫は私の体を触らないどころか裸を見せても勃起すらしてくれませんでした。
『さて、私もお仕事にいかないと…』
無理して購入した自宅なので
ローンの返済額はとんでもない金額です。
幸いにも看護師免許を持っていたので
私は隣街のレディースクリニックでナースとして働きました。