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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第27章 小雪 41歳
「よいしょっと…
ここに置いておけばいいのよね?」
私は慣れないゴミ出しで汗をかいてしまいました。
今までは夫がゴミ当番で
出勤前にゴミ出しをしてくれていたんですけど、
先日から単身赴任で二年間は全て私がしなくてはいけなくなりました。
専業主婦といえども
生活においてひとつの作業が増えるだけで憂鬱です。
「すいません…どちらかに寄っていただけませんか?」
背後から急に声をかけられて
飛び上がるほど驚いてしまいました。
振り替えると同じフロアの山上さんのご主人でした。
私がゴミ置き場の正面にいつまでも立っているものだから、彼はゴミを置くことが出来なかったみたいです。
「あ…ごめんなさい!!」
私は慌てて横にずれました。
「おはようございます
珍しいですね、あなたがごみ捨てなんて」
いつもは、うちの主人と顔を合わせていたようで
私がゴミ捨て場に現れたのを珍しがっていました
「あ、うちの人、単身赴任で暫くは私一人の生活なので、全部自分でしなきゃいけないの」
「そうですか…それは大変ですね」
そう言ってゴミを置いて振り返り
私を見た山上さんは固まってしまいました。
「あの…どうかされましたか?」
そう言ってから、彼の視線が私の胸を凝視していたので、私も彼と同じように胸元に視線を落としました。