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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第29章 安祐美 27歳

「あんたねえ…女がいいって言ってんだから
アレしかないでしょ!」

なんかここまであからさまに言ってしまうと
私が淫乱で手当たり次第に男貪るみたいになっちゃうじゃない。

「あ~…アレねえ…
でもさ、俺、やり方知らないんだよね」

洋平の言葉に私は耳を疑いました。
27歳でしょ?
やり方がわからない?
童貞?まさかね…

きっと私なんかじゃ相手に出来ないから
そんな風に断っているのだと思いました。

「やっぱり人妻は中古品だからイヤなのね」

自分で言っておきながら情けなくなってきました。

「ありがとう、もうこの辺でいいわ
あとは一人で帰れるし」

私は彼に寄り添うのをやめて
歩調を早めました。

「待って!」

洋平は私の腕を掴んで離さない。

「俺だって、こうして巡り会えたのも偶然じゃなく必然だと思っている
俺も男だから安祐美とひとつになりたい願望はあるんだ…
でも…マジでどうやったらいいのかわからないんだよ!!」

驚いてしまいました。
本当に洋平ったら童貞だったようです。

「教えて…あげよっか?…」

私、自分で言っておいて
卒倒しそうなほど興奮していました。

 
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