この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第1章 由恵 28歳
「よいしょっと…」
新商品の炭酸飲料水が納品されたので
それを陳列しておくようにと
主任さんから命じられていた。
140センチと小柄な私にとって
何でもない12本入りの1ケースがとてつもなく重く感じてしまいます。
すでに数ケースを運んだだけで
私の腰はパンパンになっていました。
「よければ僕がやりますよ」
なかなか仕事が捗(はかど)らないのを見かねて
高校生のバイトくんが助け船を出してくれました。
「ほんと?うわぁ~、助かるわぁ!」
私があれほど苦労して運ぶケースを
やはり男の子だからでしょうけど
たった数分で片付けてしまったんです。
「さっきはありがとう、これ、良かったら飲んでね」
休憩のバックヤードでバイトくんと顔を合わせる事になったので
私は自販機でコーヒーを買って彼に差し出した。
「あ、サンキューです」
カポッとリングプルを引き上げると
彼はとても美味しそうに飲んでくれました。