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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第39章 美登利 30歳
私は中島美登利と言います。
年齢は30歳です。
既婚ですが、まだ子供はいません。
子供は欲しいのですが
「まだまだ先でいいよ」と
夫は常にコンドームを装着してのセックスです。
まあ、家計のことを考えたら
子供なんて育てる余裕もないので仕方がないとは思っています。
私達、夫婦は夫の仕事の関係で
住み慣れた土地を離れて
都心部からかなり離れた街に引っ越しをしてきました。
緑が多くて自然がいっぱいで
空気が澄んでいて暮らしやすそうな街でしたが
困るのは買い物です。
スーパーがどこにあるのかもわかりません。
私はスマホの地図を頼りに
街を歩いていたのですが
スマホの画面に夢中になりすぎて
信号のない交差点を左右の確認もしないまま渡ろうとしていました。
そこへ突然「キキキ―ッ」とブレーキ音がして
気づいたときには自転車にぶつかってしまい
私は尻もちをついていました。
「ごめんなさい!大丈夫ですか?」
自転車に乗っていた青年は
慌てて私に駆け寄って抱き起こしてくれました。
「こちらこそごめんなさい…
前をよく見て歩いていなかったものですから…」
激しく転んだ割には
手のひらに血が滲む程度のかすり傷で済みました。