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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第40章 夏蓮 28歳

二階から夫の奏でるフルートの音が聴こえてきた。

「あら?ハンガリー田園幻想曲だわ…
やけに熱心だわね」

フルートが奏でるメロディが前面に押し出される曲です。
でも…所々で音程が狂う。

また譜面を見ずにアレンジしてる…
夫の悪い癖です。

私、夏蓮も音楽を嗜んでいます。
子供の頃は「神童」なんて呼ばれていたりして…
世界に羽ばたこうかという時期に夫と知り合った。
音楽の道を選ぶか妻という道を選ぶか…
迷った挙げ句に、私は夫との生活を選んだ。

あれからバイオリンを演奏することはなくなった。
でも、演奏家の夫の練習を聴いていると
今でも知らず知らずのうちに指はバイオリンの弦を押さえようと勝手に動き出します。

「ふぅ~…やっぱり悩み事があると集中できないな」
夫が浮かない顔で二階から降りてきた。

「悩み事?」

「一人、バイオリストが辞めてしまったんだ…
彼はコンマスでうちのオケの花形だったんだけどな…
これで、弱小オケの俺たちも終わりかな…」

そう言いながら、ふと思い付いたように
「そうだ!夏蓮、君、バイオリストとして復帰しないか?」と私をオーケストラに誘ったんです。

有名で大きなオーケストラだと尻込みしてしまいますが、夫の所属する小さなオーケストラなら今でも演れるかもしれない…
私は軽い気持ちで参加をオッケーしました。

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