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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第40章 夏蓮 28歳
私は夫の頼みでオーケストラに復帰することにしました。
課題曲はヴェートベンのバイオリン協奏曲…
簡単だと思っていたのに指が追いつかない。
私のブランクは思っていた以上に深刻でした。
練習中に何度もマエストロからストップがかかった。
「第一バイオリン!俺と呼吸を合わせろ!」
練習なしのぶっつけ本番なんですから
自分の主旋律だけで精一杯なんです。
「それが神童と呼ばれた実力か?」
マエストロは私にだけ居残りをさせて
練習に付き合うと言ってくれました。
誰もいなくなった練習場に私のバイオリンの音色と
マエストロの振るタクトが風を切る音だけが響きます。
「違う!違う!
俺と呼吸を合わせろ!
君は男に抱かれている時も自分勝手に独りで逝くタイプか?
男のリズムを感じて腰を振るんだろ?
それと一緒さ」
そうだ、俺に抱かせなさい。
そうすれば俺のリズムが君の体に染み付く筈だ。
マエストロは私を背後から抱きしめて
わき腹を撫でてくる。
強く…
弱く…
早く…
遅く…
そうすることで段々と彼のリズムがわかってきました。
「さすがだな、すぐに俺のリズムを掴んでしまうとは…」
私を誉めながらも
お尻にツンツンと固く太い彼のタクトが当たってきます。
「あ…あの…もう帰ってもいいでしょうか?」
このままでは演奏のレッスンといえよりは
セックスのレッスンになりそうです。