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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第41章 晴海 36歳
彼らの一人が「うちで呑みましょうよ」と言うものだから、私と妹の由美ちゃんは図々しくもその方のおうちにお邪魔しました。
エアコンのないお部屋でしたが
湿度がないせいか
扇風機だけでも涼しくて快適でした。
泡盛というのでしょうか、
けっこうアルコール度数の強いお酒なんですけど
呑みやすくてついついペースが上がってしまって
気づけば足腰が立たないほどに酔いが回ってベロンベロンにされちゃいました。
彼らは呑み慣れているというか
アルコールに強い体質なんでしょうか、
私たちと同じだけ呑んでいるのに
ほとんど酔っていないんです。
そのうち由美ちゃんは酔いつぶれてしまって
畳の上で大の字になってイビキまでかいています。
「おねえさんの方はお酒に強いんですね」
「いえ、そんなことないれす
もう、グルグル目が回ってましゅ」
もう自分でも可笑しいほど呂律もハッキリしていません。
「僕さあ、おねえさんみたいな女がタイプなんですよね」
日焼けして真っ黒の顔をして顎ひげを蓄えている男が、馴れ馴れしく肩を抱いてきました。
拒みたいのに、手を払い除けようとする私の手は
虚しく宙を掻いていました。
「旅の恥はかきすてっていうじゃない」
だから大胆になりましょうよと言いながら
顎ひげの男は私にキスをした。