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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第6章 眞由美 30歳
娘の真由加がグズリだした。
こうなると、どんなにあやしてもなかなか泣き止んでくれない。
スマホゲームに夢中の夫は
イライラしたように私を責める。
「うるさいなあ!
お前、母親なんだろ?何とかしろよ!!」
まだまだ家事をすることが残っている。
食後の洗い物もしなきゃいけないし
洗濯物をたたまないといけない。
「少しはあなたも手伝ってよ」
我慢できずにそのように頼むと
夫は拗ねたような表情をして
プイッと席を立って一人でさっさと寝室に消えてしまう。
もうたくさんだ…
私の脳裏に『離婚』の二文字が浮かび上がる。
そんなタイミングで
故郷の母からの連絡があった。
お母さんの声を聞いて
私は堪えきれずにスマホを握りしめて
泣きじゃくってしまいました。
- あらあら、どうしちゃったの?
女は家庭の太陽なのよ
すこしぐらい辛くても笑っていなくちゃダメ! -
「そんなことを言ったって…
もう無理!私、夫と別れようと思っているの」
- それは穏やかではないわね…
いいわ、私が明日、そっちに行って孫の面倒をみるから、あんたは少し羽根を伸ばしてきなさい -
そして、母が急遽上京して
一日だけ私に休息を与えてくれることになりました。