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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第6章 眞由美 30歳
母は朝一番の新幹線に飛び乗ってくれたのか
翌朝の8時には我が家にたどり着いてくれた。
「お母さん…ごめんなさい…」
「いいの、いいの、
私だって家にお婆ちゃんがいてけっこう助けてもらったんだもの。
核家族化で頼る目上の者がいないと言うのは
自由な反面、つらいこともあると思うわ…」
さあさ、久しぶりにお化粧をして
華やかな衣装に身を包んでひとときの独身を謳歌してきなさい。
幸いにも娘は祖母にあたる私の母に懐いていたので
安心して家を明けて遊びに行くことができました。
さて、主婦とは思えない華やかな衣装とメイクをしてみたものの、
何をしていいのか検討もつきません。
とりあえず街をブラブラしていると
一人の男性に声をかけられました。
「彼女、よかったらお茶でもどうですか?
カラオケにでも行く?
ねえ、付き合ってくださいよ、いいじゃないですか」
うそっ!ナンパ?
懐かしいわ、この感じ…
高校生の頃は大人びた服を着てナンパしてもらうようにしていたけれど、
久しぶりに男性から声をかけられて
私は舞い上がってしまいました。