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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第7章 美咲 36歳
「よくタグを見てみなよ
返品不可と書いてあるじゃん」
「ホントだ…」
誰にだって少なからずある、変身願望。
それに、コスプレをして欲しいと
涙目で訴えられたら叶えてあげたい気分になってきます。
「いいわ…着てあげる
でも、今夜だけよ」
「うんうん!一度だけで充分だよ
あ、そうそう、その衣装に合う下着も買ってきたんだ」
気をよくした夫はビジネスバッグから小さな包みを取り出した。
「あなたにこんな変な趣味があるとは思わなかったわ」
そう言って包みを開いて下着を取り出すと
総レースのなんとも艶かしい下着…
「ねえねえ!早く変身してよ!!」
夫に急かされて
私は脱衣室で小悪魔に変身する。
でも下着を身につけて私は驚いた。
だって…下着と言いながら
ブラのカップ部分には穴が開いているし
ショーツは大事なところを隠す股間部分に布地がなかったんですもの
いわゆる穴あきパンティと呼ばれるもの…
そんな下着を身に付けるのは初めてなので
乗り気ではない雰囲気を夫の前では醸し出してみましたが、内心では私もドキドキしていたんです
「こんな小悪魔ちゃんに変身しました」
衣装に着替えて夫の待つリビングに戻ると
夫はウキウキしながら一眼レフカメラを用意していました。
「小悪魔ちゃん、とても似合うよ~
レンズに向かって笑顔をちょうだい!」
カシャカシャと小気味いいシャッター音に
私はモデルになった気分で夫の要求に応えて上げました。
「次はスカートをたくし上げて、
中がチラっと見えるように!
恥ずかしそうな表情でね」
言われなくても恥ずかしいに決まってるじゃない
スカートをたくしあげたら履いてるショーツは穴が開いているし、陰毛をさらけ出していたんですから。
それでも、夫の要求に素直に応じてしまう。
「こう…ですか?」
「そうそう、すっごくいいよ!」
地面に這いつくばるようなローアングルから
写真を撮られ、指定されるまでもなく、
私は恥ずかしさで顔が赤らんだ。