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最愛の人
第34章 仕上げ
『よしよし。
最後の仕上げに移ろう。


愛莉の体にICチップを埋め込む。
このチップは愛莉の情報が名前、本名、を含め全てが解るものだ。
GPSも兼ねているから常に監視される事になる。
動物は注射器で埋め込むらしいが、愛莉の体にはメスを入れて埋め込む事にしたよ。
麻酔は使わないから耐えなさい。

なに、1㎝程で極浅くだからさほど痛くはない。
安心しなさい』



「うぅ…あぁ!あー…いっ!あぁ!」

『愛莉、終わったぞ。
ちゃんと作動するか確認もしたから、GPSも作動させたからのう。
これからは海斗に行動を監視されるからな』


鞭などの衝撃が少ないという理由で、耳の後ろに入れられたICチップ。
ズキンズキンと痛む傷は、ご主人様から離れることはできないと暗示しているように感じました。

仁科様は全ての縄を外すと、頭を撫でて「海斗!」と呼んでいます。


「お呼びでしょうか?」

『海斗、愛莉をお前のパートナーと認めよう。
愛莉、お前は海斗に命が尽きるまで応えて生きなさい』

「師匠、ありがとうございました」
「仁科様、ありがとうございました」


こうして、私の半年もの調教が終わったのでした…
これから私に待っているもの…
ご主人様を何があっても、信じて着いていく。


この時は、そう思っていました。


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