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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第7章 『静と言う名の女とオムライス』
そんな事を考えながら、
仁がオムライスを食べ進めていると。
考え事に集中してる間に、
オムライスは食べ終えていて。
空になったオムライスの皿を仁は見つめながら。
もう…自分が…あれだけ好きだった、
お袋が作ってくれるオムライスの味を…
忘れてしまったんだなと…実感していた。
ーー
ーー
ーー
その日から…お袋以外が作るオムライスに
僕は何の抵抗も…憶える事が無くなって。
普通に…ポムの樹のオムライスも食べるし、
昔ながらの定食屋のミックスベジタブルが入った
懐かしい昭和レトロなオムライスも…
食べる事が今は普通に出来ている。
それに…、今は…何の因果があってか
自分の得意料理が…オムライスになっている。
でも…この年齢になっても…
完全にその味も忘れてしまってるのに。
日本で…一番美味いオムライスは、お袋の
オムライスだってそんな風に…今だに思ってる…。
そう思ってるのは、
32の僕茂木仁じゃなくて。
あの頃の、あの時の…
10歳の茂木仁……でしかなくて。
けど…もしかしたら、
あの頃の僕が食べていた
お袋の作るオムライスよりも…。
アルバイトを…AV男優をしながら
大学生時代に掛け持ちでしていた。
オムライスが美味いと、
学生の間で有名だった大学の近くの喫茶店の
マスターの技をアルバイトをしながら
見様見真似で習得して作れる様になった。