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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第7章 『静と言う名の女とオムライス』
仁さん特製ふわとろオムライスの方が、
今食べたら…美味いかも…なとか。
そんな事を…、ぼんやりと
スーパーの店内を歩きながら仁は考えていた…。
僕も…32になって…。
親父も死んで2年が経って、お袋の事も…。
自分なりに…整理が…着いたって事なんだろうな。
お袋の姿をまともに見たのは、
あの…2年前の…親父の葬儀の時だった。
久しぶりに見た…お袋は…酷く痩せこけて
歳を取っていて、自分の記憶の中の
僕が小4の時の姿とは結びつかず。
親父が急死したのもあって、バタバタとした
葬儀だったのが…逆に…ゆっくり…お袋と
関わらずに済んで…助かったぐらいだったが。
結局、僕が中2の時のある出来事がきっかけで、
別居状態でも夫婦を続けていた親父とお袋は
正式に離婚をする事になったのだが。
茂木は、本舗の近くにある
スーパーで必要な買い物を済ませて。
真奈美が待つ、夫婦円満本舗へと
スーパーの名前の印刷された
袋を持ってぶらつかせながら戻った。
『ただいま~、仁さんがお戻りですよ~』
「あ、仁さん、お帰りなさい」
『うん、ただいま。
真奈美ちゃんいい子にしてた?
さっきの思い出して、ひとりでしたりしてない?
今、オムライス作るからさ、
真奈美ちゃんは…作業して待っててね?』